Diary 2012. 11
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11月15日 (木)  『japan in a day ジャパン・イン・ア・デイ』

『急ぎの文は静かに書け』と10月頃 日めくりカレンダーにありました。
急ぎの手紙ほど大切な用件の場合が多いので、書き落としや誤りが無いように、
落ち着いて慎重に書けという意味だそうです。
 
先週 久しぶりに六本木ヒルズへ映画を観に行きました。
六本木ヒルズって何度か行ったことはあるのですが 
どうしても中の構造がわかりにくいです・・・。

観た映画は『JAPAN IN A DAY ジャパン・イン・ア・デイ』
http://japan-in-a-day.gaga.ne.jp/
「YouTube」に寄せられた2012年3月11日の個人の動画
約8,000件を基に1本の映画として作り上げた作品。

「いかにも・・・」という感じの作品で 最初は見る気はしなかったのですが
なんだか 作られた物語を見るという気分でもなく
ただ 寄せられた生の映像が どう一本の映画として
編集されているかも興味があり上映時間も適当な時間があったので
観てみることにしました。

映し出される映像は ほんとに演出なしなの?と疑うくらいに
自然にそしてうまく映されていて 時間の経過 場所の違いを
音楽と細切れにした画像でつなぎ合わせています。
それは 長い長いCMを見ているようでメッセージ性が高く
後半は 最近の どんな映画を観るより 
ただただ 涙が流れてきました。

リドリー・スコットとトニー・スコットが監督と書いてありますが
あれだけ日本語と 日本人の心情をわかる編集は
日本人スタッフ(フジテレビ)の力がそうとうに加わっているなという感想。

3月11日の震災後 いろんなデモが各地で行われていて
「ただ イベント的に参加したい人の集まりじゃないか」とか「あまり真剣さが伝わらない」とか
批判的な意見も多くありますが 
そのデモ行進で たとえ血相を変えて シュプレヒコールを叫んでなくても
反対を望む人たちが どれだけつらい毎日を送っているのか
中には ただ面白半分で デモに参加する人もいるかもしれませんが
怒りって そんなにいつも表面に出る人ばかりじゃないよな・・・と
この映画の中の被災者の日常を見ていて感じました。

こうして だんだんとクリスマス 年末ムードの装いになり
気ぜわしくなるこの季節
こうして過ごせる日常に感謝して
こんな時期だからこそ あらためて静かに
ゆっくりとした気持ちで日々を送りたいと思います。

・・・少し締めがかたすぎたな・・・まあ・・・いいか。


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11月30日 (金)  森光子さん

今年も残すところあと一か月となりました。
ここ数日の空気は すっかり冬
ベランダから見える富士山もくっきりです。

今月 森光子さんの訃報がありました。
そのあと テレビで追悼特集番組がありました。

私は特にファンというわけでもなく
ただ何となく そのテレビを見ていました。

すごい役者さんだったんだなと思うのと同時に
自分が90歳くらいまで 仕事に命をかけられるものかと
あらためて 仕事の対する自分の小ささに気づきました。

森光子さん晩年のインタビューに
「女優は 幸せだと演じられないんです」といわれた言葉。
以前読んだ 浅田次郎の小説の一節を思い出しました。
多分 『回転扉』という短編小説だったと思いますが
あまり恵まれない身の上の女性が 女優になる話で
その女性が 「演じているときだけ他人になれるから幸せなんだ・・・」
というようなことを言うシーンがあります。

追悼番組を見て 正直 1000回目くらいの方丈記を見てみたかったなと思いました。
そして 自分が生きている時代にいる いろんなすごい人たちの歌や芝居の芸能を
ライブで見てみたい 見た方が良いなと思うのです。

いつも見える景色が そうでなくなった時に悔やまないように。