Diary 2010. 10
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10月5日 (火)  なくならないでほしい店

自転車での帰宅途中 あちこちでふわっとキンモクセイの香りがしました。
秋がやってきました。

「今年は 暑かったですね・・・」と どれくらいの人に言ったろう
ほんとに今年は 猛暑 激暑でしたね。
そんな 今年の夏 うれしかったのは かき氷
明大前に住んで約18年 知ってはいたけどお店に入ったのははじめての甘味処。
夏には かき氷を売ってる。
店の中は見えず いつも気にはなるけど やってるのか・・・と思われるくらい。
となりの八百屋のおばさんに聞くと 年配のご夫婦が切り盛りしてるとのこと。
外から見るに 昭和のまま時間が止まってるよう 懐かしい店構え。

最近のかき氷は クラッシュアイスみたいなのが多く
映画「めがね」を見てから 昔ながらの 削った氷の かき氷が食べたくて食べたくて。

暑い夏の日の午後  お店の前を通りかかってふらっと 店に入った。
店内は 表のまま昭和の様子 懐かしくなぜか落ち着く。
子どものころ 近くにあった氷屋 母と妹と行った思い出がよみがえる。
かき氷は メロンやイチゴはなく すい・カルピス・宇治金時。

迷わず宇治金時を頼んだ。

カウンター越しに見える調理場に昔ながらのかき氷機!
シャカシャカと氷を削る音
出てきたのは 理想どおりのかき氷。

食べた瞬間 「早く来ればよかった。。。」「こんなに住んでたのに。。。」
といろんな思いが。
となりの八百屋さんから「お隣も いつまでやできるか・・・なんて言ってたからね」

なくならないでほしい。

失礼にも お客さんは入ってるのかな お店はやっていけるのかな・・・なんて思わせるような感じだったが
かき氷を食べてる間 以外にも 多くのお客さんが入ってきた。
常連さんも 何人かいるようで メニューも見ずに注文していた。

うちの店も お客様は一人か 次の方との間でお客様がいないときもあるので
いつも暇そうな美容室だな。。。大丈夫なのかな。。。。
なんて思われてるかもしれませんね。

それにしても 少しの後悔と うれしい発見があった夏。。。でした。




10月12日 (火)  『The Black Book Of Colors』

読書の秋ということで本を一冊紹介

『The Black Book Of Colors』

目の見えない子どもたちに絵本を という観点から作られた絵本
もし目が見えなければ 色はどう感じるのか どう見えるのか

真っ黒な絵本 中を見てみると
左ページに一行程度の白い文字のほかは 真っ黒

左ページに点字と 右ページに 凹凸のある絵が描かれている。
見ながら触ってみても「こんな感じか・・」という程度
目を閉じて触ってみるが 最初はなんだかわからない。

集中する どんどん集中すると 気分が悪くなる。

少し苛立ちを覚えて目を開ける。

小学校のとき目隠しをして障害者の感覚を体験をする授業があったが
大人になると よけいに不自由さを受け入れられない自分がある。

以前 ヨーロッパに 暗闇の中で食事するレストランがあるという話を聞いたことがある。
五感の何かの感覚が 減ると他の感覚が鋭くなるというが
やはり 食事がおいしくなるというより
真っ暗であると 気分が悪くなる人もいるらしい。

障害を持って すぐに受け入れられる人なんていないと思う。

この本の感想が書かれたHPに こんなコメントがあった。

「目が見えなかったら、「黄色」はどんな風に感じるのだろう。
ここでは「ひよこのやわらかな羽根」のイメージで、
ふわふわの羽根が凸凹突起のある表面加工のイラストに舞っている。
どのページでも「色」のイメージが、黒の手触りだけで確かめられるようになっている。
 黒に囲まれているからこそ鋭敏な感性が研ぎ澄まされ、
豊かな色のイメージに羽ばたこうとする。
静謐な色の世界が、絵本の中に美しく佇んでいる。
息を呑むイマジネーションの旅に誘われ、平安の中に時間が過ぎていった。」

・・・今の私は とても平安の域にはいけそうにない。

この本は 気持ちの落ち着いたときに
何度かトライしていこうと思う。



【この本の紹介】http://www.underconsideration.com/speakup/archives/004796.html

【見えないレストランの記事】
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/world/070314_blindekuh/index.html


  

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