Diary 2009. 10
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10月14日 (水)  エベレスト単独無酸素登頂

いたるところで金木犀のいい香りがします。
空気も乾燥してきて リップクリームの世話になる季節が来たな・・・と感じます。

夏にテレビで ソロ・アルピニストの栗城史多さんが、
日本人初のエベレスト単独無酸素登頂に挑戦している
というのを目にしました。
単独無酸素登頂に成功している人は 多くいるらしいのですが
私が興味を持ったのは この栗城史多さんの経歴

高校卒業しても夢も目標もなく、ただ都会にあこがれ東京へ向かうも、挫折。
1年間のフリーター・ニート生活を行う。
上京から1年後には北海道へ戻り、大学に進学。
あることがきっかけで山岳部へ入門する。
登山を開始し2年が経過した
2004年6月(22歳)
初の海外旅行で北米大陸最高峰の「マッキンリー」を単独登頂に成功。

というものでした。
小さな頃から 山登りを経験していたわけでもなく
特に スポーツにたけていたわけでなく
特に大きな目標を持っていたわけでない人が
ここまでのことをする

また 身長162センチ、体重60キロという小柄な身体、
さらに肺活量・筋量ともに、成人男子の平均以下

趣味:一人になること
嫌いなもの :トレーニング、寒い所
というのも笑える。

かのエジソンは 「天才とは1%の霊感(ないし閃き)と99%の努力」
と言っているが 
天才はさておき 偉業を成し遂げるのに 99%の努力はなくてはならないものと思うが
トレーニングが嫌いな彼が 誰に強制されたわけでもない登頂のために
どれだけの努力をしたのか。

さて 彼の挑戦した日本人初のエベレスト単独無酸素登頂は
天候や体調の状況などから残念ながら断念された。
しかし 彼の ブログを読むと 断念した前後の時間は壮絶で
生きて帰った事が 何より良かったと私は思う。

「趣味 一人になること」
これは本当だろうか
ただ 一人の時に 多くの人に助けてもらっていることは
誰より実感しているだろうし
そうでなければ 逆に一人になることは 楽しくはない。
先月書いた 山頭火の 「 風の、己の、その声を聞く 」とは
まさにと思う。
 
私も一人で仕事をすることに 寂しさはない
これも 多くの人に支えられているからに他ならないと思うから

それゆえに
夏から気になっていた 彼の登頂は
失敗したことより 生きていたことの方がうれしいが
こういう人は また挑戦するのだろう・・・

彼の言葉に
「山登りで一番危険なのは「執着」です。夢は追うものですが、
周りを見失ってまでの貪欲は禁物。常に中道の精神を忘れてはいけません。」
とあった事は少し安心する。
何よりすばらしいなと思ったのは
「登っても登らなくても生きていることに感謝する自分になりたいです。」
そう実感しているのはまさに今ではないのだろうか。

人生は 山を登るようなものとはいうけれど
雪山なんか何で登るんだろうと 理解できなかったが
彼を知って少しわかったような気がするのです。